インタビュー

子育てと個人事業 IT講師だからこそ出来た両立

IT講師 岡田満つるさん

IT講師として活躍する岡田満つるさん。IT企業退職後、個人事業と子育ての両立やIT講師を選んだ理由などをお伺いしました。

人にものを伝えるという面白さ

人にものを伝えることを始めたのは学生の頃からです。大学院時代には教授に付いて授業のサポートをしていました。その時から人にものを伝えることが面白いなと感じていました。

同じことを何度か言って「はっ」と気づく人もいれば、様々な角度から伝えても気づいてもらえず、10, 20回と言ったときに同じ言葉で急にひらめく人もいて、こうした面白さを学生時代から経験してきました。

アルバイトもプログラミングを教えたりだとか、Office系の講習などを行っており、そこからIT企業に入社して12年が経っていました。

IT企業ではどのようなお仕事をされていましたか?

教育関係がメインの企業に従事していました。その企業では様々な仕事を経験しました。

最後に担当していたのは、プロジェクトマネージャーとして顧客の要望に対してのヒアリングから実施提供までのプロジェクトです。仕事はどちらかというと裏方をしていました。

3人の子どもの子育てとやりたいことを両立させるため、上司に相談して4年前に退職し、約4年間個人事業を営んでいました。

個人事業について教えて下さい

IT企業でのキャリアを離れて、産前産後のお母さんをサポートする活動を個人事業として開始しました。

具体的な活動内容としては、分かりやすくいうと、マタニティヨガ、産後ヨガ、幼児向け親子教室、育児セミナーをサービスとして提供していました。

マタニティヨガ、産後ヨガはただ動くというよりも、お母さんたちがはじめて妊娠して赤ちゃんを授かったとき、身体を動かすこと自体のリフレッシュだけでなく、出産することへの恐怖心を和らげることにも作用します。

自分自身1人目を出産したときは精神的に大変だった経験を生かして、真面目な性格のママや核家族化といった社会の状態からマタニティブルー、産後うつになる可能性のあるママに対して心のケアがしたいと思い、始めました。

もともと私自身クラシックバレエをやっていて、身体を動かすのは好きでした。また趣味でヨガインストラクターの資格も持っています。なので、全てまるっとやってみようと思い、こういったサービスをはじめました。

産後ヨガでは、出産後の身体のケアもそうですが、ママたちからたくさん育児の悩みが出てきます。

例えば「どういう教育をしたほうがいいのか」、「小さい頃から叱るべきなのか、叱らなくていいのか」などですね。 ヨガを通して、育児コンサルではないですが、こまめにヒアリングを行い、まとまった情報をセミナーという形で提供してきました。あとは子ども向けの教室を開いています。この活動は4年弱、新型コロナウィルスが蔓延するまで続けていました。

IT講師になったきっかけ

今回の新型コロナウィルスの影響を受け、産前産後のお母さんをサポートする活動は一時的に自粛し、自粛期間でも何かできる仕事がほしいとの思いから、IT講師という仕事に出逢いました。もともと人材育成に興味があり、Javaのスキルを活かして何か出来ないかと考えていたところでしたので、非常にやりがいのある仕事だと感じました。

幸い、自分のような主婦層を新人講師の募集対象としていたことも理由の一つです。

大企業の新人研修を担当

今回は大手企業の新人研修を担当させてもらったので、4 -6月上旬まで講師として指導しました。今年はもう終えたので、次は来春からまた実施予定。季節的に活動できるのが、自分のニーズにマッチしていると感じています。

研修内容としては、Javaのプログラムを指導しました。

Javaについては、学生時代から携わっており、IT企業就職後に本格的にJavaの技術を身につけました。Javaに関する資格もいくつか取得していました。本格的な開発からは10年近く遠ざかっていたため、研修までにはしっかりと最新技術の確認を行いました。その甲斐もあり、受講生の高度な質問にも答えることが出来ました。

研修は、コロナ禍ですのでSkypeで実施しました。受講者が1000人規模の研修で、講師だけでも100人近くいる大きな研修に入れてもらいました。

本来であれば、24とか25クラスに分かれて1クラスに講師が3人入って教える研修ですが、その受講者がネット上に全員ぶら下がり、クラスで区切り、自分の担当生徒がいるという状況での研修でした。

オンラインでの指導はどうでしたか?

はじめは、夢物語を聞いている感覚でした。目の前にいない1000人の受講者にどうやって遠隔で教えるのか想像もできませんでしたね。しかもプログラミング言語の基礎部分の文法だけならいいですが、プロジェクト・システム開発を分かっていないと現場で使える知識にならないので、研修の中にはUML(プログラムを作るための設計図の書き方)やプロジェクトを実際に組んでシステム開発する時に、どういう工程でシステムを作り上げていくかという話も必要でした。こういった学習は本来、チームで何かを分担して作っていくものです。

私が担当したのは中級クラスでした。このクラスでは、チームで何かをするまではできないのですが、そのなかでも簡単なシステムを個々人で開発して、プロトタイプみたいなものを作っていくことに携わらせてもらいました。 実際にやってみたらちゃんとできて、受講者も優秀で、オンラインでも十分研修が可能だと分かり感動しました。

子育てとの両立、ゴールが見えるからこそ得られる家族の協力

最初の2人を授かったときは、IT企業に勤めている頃で、産休・育休を利用しました。3人目を授かったときは個人事業をしていたので産休や育休といった制度は当然ありません。

産後2ヶ月から個人事業として働きはじめました。

個人事業主は会社員と違って守られていません。その当時上の子どもは保育園に通っていましたが、産後2ヶ月から仕事をしないと保育園を出されてしまいます。実はお腹に3人目がいると気づかずに退職し、その次の月に3人目に気づきました。

厳しい状況でしたが、すぐに個人事業を立ち上げ、働きはじめました。

みんなからは「それだけ子どもがいてよく動けるね」と言われていたが、自分の中ではやりくりでなんとかなっていました。

ですが、今回の新型コロナウィルスは本当に大変で、今までで一番大変だったと思います。

今も、やっと2週間前くらいに休校が解除され、上2人の子どもが小学校に登校できるようになりました。 休校期間は動画で授業がありましたが、低学年の子だと動画での授業は一人では受けられません。けれど私は日中仕事がある。仕事から帰ってきて、動画の勉強をするには時間が足りなくて、子どもにも負担がかかり大変でした。それでも家族みんなで協力してなんとか乗り越えてきました。

IT講師の研修期間は大変でしたか?

そうですね。ありがたいことに近くに住む母に頼ったり、主人の理解もあり、支えてもらいながら進められました。また、子どもたちも、この活動が丸1年365日続くわけではないことを理解してくれ「ママはいま一生懸命働きに行っているから、みんなで協力してあげようね。」と、子どもたちにとってもいい経験だったと思います。

期間が決まっているからこそ、家族で頑張れたと思います。例えば、ママがここでちゃんと働いたら、いつも行けないところに行こうね、とか連れていってあげられる余裕も出てきます。もちろん時間のやりくりは大変な面もありますが、ちょっと帰りにお土産を買ってくる余裕も出ますし、そういう意味では子どももいつもと違う生活の流れとちょっとできない贅沢な流れを経験して、それはそれで非日常的で楽しんでいたように思います。

女性で活躍しているIT講師の方は他にもいましたか?

現場には女性のIT講師もいらっしゃったと思います。

主婦の方が何らかの収入がほしいと考えたとき、ITのスキルや知識があるのであれば、すごく効率的でおすすめの仕事だと感じます。

日々のなかで、定期的に決まった時間仕事に行くのももちろんいいと思いますが、(IT講師の仕事は)1ヶ月、2ヶ月とかなり短期的な仕事になるので、子どもたちもゴールが見え、応援してくれるし、報酬も良いのでその短期間の仕事で1年間ちょこちょこ働いているくらいの収入になります。

考え方にもよりますが、私は短期的に集中してみんなで協力して働くことにすごいメリットがあると思います。私は個人事業をメインでやりたくて、柱をもう一つ持ちたかったからIT講師をはじめました。やはり子供が3人いると、収入面で主人一本に頼るのは難しい状況です。そういった意味で、柱が2本あることは強いですし、助かっています。

まずは一歩踏み出してみてほしい

まずIT講師になるための勉強時間を確保するのが最初の壁になると思います。

私は必要に迫られてポンっと行きましたが、そういう状況でなければ、主婦という状況とITという技術から離れていて、多分一歩踏み出すのにも不安があったりするんじゃないかと思います。

しかし、IT講師になりたいという意志がある方ならしっかりとサポートして貰えるかと思います。もし興味があれば、まずは一歩踏み出してみてほしいですね。

研修の運営方法や内容、教材の意図や伝え方などについては登壇前にしっかりと教育してもらえます。講師としてどう伝えるべきかという講師スキル、例えば、受講者のレビューの仕方などについては、しっかりとマニュアル化されているので、「日本を支えるエンジニアを育てるのだ。」という志を持ち、マニュアルをしっかりと熟読すれば、講師としてのスキルに不安はなくなるはずです。とにかく興味がある方は、まずは一歩踏み出してほしい。

もちろん、勉強時間を確保するのは大変ですが、子どもが寝たあとなどでちょこちょこ進めていけるのではないかと思います。講師として雇われたあとは、教材とすごく丁寧に書かれた講師マニュアルが配布されます。私はそれを読み込んだり、練習したりして技術を身に着けました。

また、それぞれのコースについて勉強会があります。そちらは日付が講座ごとに決められており、各コースで1, 2回勉強会に参加します。そこでは分からないところを教えてもらったり、要点を絞って教えてもらったりしていただきました。不安があってこちらが希望すればマンツーマンで教えてくれるようです。

この仕事では大手企業の新人さんに関われるというメリットもあります。私は4年くらい企業から離れていたので、ビジネスの世界に対しても離れていましたが、久しぶりにこうした流れや、世界で戦う大企業の新人さんを見ました。

最近、世界に通用する日本のアプリは出ていませんよね?SNSなど色んなものがここ5年ものすごい勢いで進化していますが、日本はそこに食い込めていないと思っています。

研修を通して、「世界に通用するプログラマーになるぞ!」といった意志やそういう熱量に触れることができるのはすごく貴重な機会だと思います。自分も頑張らないといけないなといい刺激を受けました。

また、特に自分が主婦でお子さんをお持ちであれば、自分の子どもに向ける目も変わってくると思います。

例えば、新人研修のとき新人は真っ白で、そのときに出会った方の言葉とかが働いていくなかで影響を持っていくと思っています。IT講師を通して、自分がそういうポジションに就くというのを短期間で感じました。

自分の子育てでも、3歳や小学生の子どもたちに対して同じようなことが言えるなと新人研修のなかですごく感じました。世界に通用するような、何でもいいから一つそういうものを持って、高い志を持って挑んでいけるような子どもに育ってほしいと改めて思いました。そうなるためには今どういう教育をしたらいいのか、そういうことを改めて考えるようになりました。

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